世界一頭に入る会計学『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』レビュー

04/12/2020ブックレビュー

この記事は約 6 分で読めます。

「たけや〜〜〜さおだけ〜〜〜

日本人なら誰もが聞き覚えのある営業文句(というかBGM?)、そうですさおだけ屋です。

さおだけ屋はどうしていつの時代にも存在するのでしょうか?商売なの?ボランティアなの?と疑問に思った方もいるかも知れません。僕も思いました。

そんな疑問に会計学の観点からアプローチした本を今回はご紹介します。山田真哉氏の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』です。

この本を最初に知ったのは、「さよなら絶望放送」というアニラジで紹介されていた時でした笑

山田氏本人が番組へメール投稿していたんですよね。「拙著をご紹介頂きありがとうございます」と言ってこの本も番組に送られてきたんだとか。

そんな『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』ですが、会計学という難しいイメージを払拭するような著書で、年代や仕事に関係なく非常にオススメできます!

こんなあなたにオススメ

  • 会計学の入門書を探しているあなた
  • 節約に興味があるあなた
  • 商品広告に騙されたくないあなた

書籍概要

難しいというイメージを持たれる会計は、確かに難しいです。

『やさしい会計』、『会計は簡単だ』などのタイトルの本は世の中にいくらでも出ていますが、実際の読者はそう感じ取ってはいません。

著者は入門書を書いたつもりでも、決算書や専門用語といった知識がないと、読者は面食らってしまうのです。

そこで山田氏は会計をもっと身近に捉えてもらいたいとの思いから、日常の疑問から話を始め、生活でも役立つような知識を盛り込んだ本書を執筆するに至ったのです。

「会計」という言葉を聞くだけで、「難しい!」と条件反射してしまう人は思いの外多いと思います。

ただ、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、日々の生活で浮かぶ小さな疑問から、会計のエッセンスを伝えているので、非常に分かりやすく書かれた会計本と言えます。

仕事よりも生活そのものに活かせる力や考え方を得られますので、社会人と言わず、学生や主婦の方にもぜひ一読して頂きたい書籍です。

総ページ数は202ページで早い人は1時間から1時間半ほどで読めるかと思います。

著者プロフィール

山田真哉|公式Twitterより画像引用

公認会計士。1976年、神戸市生まれ。大阪大学文学部史学科卒。一般企業を退職後、公認会計士試験に合格。中央青山監査法人/プライスウォーターハウス クーパースを経て、2004年、公認会計士山田真哉事務所を設立。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』など、ビジネス書を執筆。小説『女子大生会計士の事 件簿DX.1~6』(角川書店)は、会社、会計、経済の仕組みが分かる、実用的エンタテインメントという、新ジャンルを切り開いた。

山田真哉プロフィール|Amazonより

目次

エピソード1:さおだけ屋はなぜ潰れないのか? – 利益の出し方

エピソード2:ベッドタウンに高級フランス料理店の謎 – 連結経営

エピソード3:在庫だらけの自然食品店 – 在庫と資金繰り

エピソード4:完売したのに怒られた! – 機会損失と決算書

エピソード5:トップを逃して満足するギャンブラー – 回転率

エピソード6:あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか?キャッシュフロー

印象に残った内容

チャンスロス

「完売御礼」に満足してしまうことは会計学的には「チャンスロス」したことになるとありました。

もし完売した商品数以上の在庫を引き続いて売っていればより多くの利益を生み出せたかもしれません。

これは自分のツアー業にも同じことが言えるなと感じられたので、印象に残りましたね。

ほとんどのツアーには定員数が決められています。小規模ツアーなら10人までとか、大規模ツアーなら30人までとかです。逆に最少催行人数というものもあります。

需要と供給のバランスに尽きるかと思いますが、20人の需要があったのに10人しか受け入れられなければ10人分の売上をロスしたことになります。

もちろん最大受入人数は安全面なども考慮した上で設定されているので上限を拡げることは難しいです。

ただ、同じ時間に別のグループでツアーを行えば失うはずだった10人分の売上も獲得できます。

人的コストはかかりますが、市場の需要を分析できていればチャンスロスを限りなく小さく出来ますよね。

もちろん雇う雇わないの意思決定は売上高以外に、経営者の意向も大きく関わるので、一概に正しいとは言えませんが、チャンスロスという観点から言えば追加雇用をし、雇用者を育てるべきなのです。

素晴らしい人脈を持つ人と深い関係を築く

先日読んだメグ・ジェイ氏の『人生は20代で決まる』という全米ベストセラー本には「ゆるいつながり」の重要性が説かれていました。

ゆるいつながりというのは、昔からよく知る友人などではなく、職場で挨拶をする程度の関係といった人のことです。

そういったゆるいつながりを持つ人の方が、将来転職やオファーを受ける時に役に立つとあったのです。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』には「すでに知っている人物と何度も関係を重ねていくべき」とあるので一見逆のことのように思えました。

ただ、山田氏は「その人の背後にいる人脈を見極めた上で付き合う相手を選べ」と言っているように感じました。

ですので、ジェイ氏も山田氏も別のことを言っていますが、どちらも大切なことだと感じました。

昔からの知人は大切でも背後に強力な人脈を従えていないのであれば、社会人になってからずるずる付き合う必要はないですし、仕事の中でちょろっと会った人が、たくさんの人脈を抱えているのであれば、何度も接触し深い関係を持つとよいという風に捉えました。

まとめ

タイトル通り、さおだけ屋が潰れない理由についての著者の考察からスタートしますが、クスッと笑ってしまう箇所がいくつかあり読み始めは楽しく、ずんずんと読み進められあっという間に読み終えてしまいました。

日常の疑問と会計学を巧みに結びつけて説明されているので、知識のない人でも非常に分かりやすいと思います。

仕事に活かす力というより、日々の生活で損を被らない生き方を学べる書籍ですので、大学生や主婦の方にもオススメしたいです。

1時間で読めて、効果は10年!

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