脱・コミュ障『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』レビュー

04/21/2020ブックレビュー

この記事は約 5 分で読めます。

突然ですが、質問です。「あなたはコミュ障ですか?」

「はい」と日本人には自分をコミュ障だと思っている人の方が多いんだとか。少なくとも僕も得意だとは思っていません。

そんなコミュ障のあなたにオススメしたい本が今回ご紹介する『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』です。

コミュ障の方に限らず、普段の生活で全くコミュニケーションを取らない方はいないでしょう。ですのでどんな方にも読んで頂きたい本です。

特にオススメしたい人

  • コミュ障で悩むあなた

  • コミュニケーション力を高めたいあなた

  • もっと人から好かれたいと思うあなた

書籍概要

執筆に至った背景が明記されていた箇所はありませんでしたので、僕なりの解釈を述べておきます。

まずこの著書は、著者がパーソナリティを務めるニコニコ生放送の番組を題材として書かれています。

吉田氏はコミュニケーション欲求は食欲などと並ぶ人間の生存欲求に並ぶものとしており、「コミュニケーションの目的はコミュニケーション」という原理に基づき話を進めています。

ただ社会的には、未だに「コミュニケーションは情報伝達の一手段」と捉えられていることに疑問を感じ、より多くの人が純粋にコミュニケーションを楽しんでもらえたら、という気持ちの下本書の執筆に至ったと考えます。

ニコニコ生放送の番組が題材になっていることもあり、実際の放送中に投稿されたコメントがカッコ書きで本文中に出てきます。

本を読む、というより番組そのものをまさに聞いているような感覚になり、非常に理解もしやすい構成になっています。

吉田氏も元々はコミュ障(今も抜けきれてはいないと書かれていた)だったため、コミュ障が抱える悩みにも寄り添って話を進めているので、随所で納得感も感じることが出来ます。

コミュ障だけでなく、ビジネスパーソンなど社会に生きるすべての人にとってコミュニケーションは必要不可欠なものなので、ぜひ多くの人に読んで頂きたい著書です。

総ページ数は209Pで2時間半ほどで読めます。

著者プロフィール

吉田尚記|Amazonより画像引用

ニッポン放送アナウンサー。
ニッポン放送『ミュ~コミ+プラス』のパーソナリティとして、第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞を受賞。
『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』が13万部を突破のベストセラーに。
マンガ大賞発起人にして、マンガ大賞実行委員。
ツイッターの公式ナビゲーションサイト、ツイナビ初の公認アナウンサー。

吉田尚記プロフィール|Amazonより

目次

【基本編】

はじめに:コミュ障の私よ、さようなら

1:コミュニケーションとは何だろう

2:「コミュ障」だった私

3:コミュニケーションという「ゲーム」

4:ゲーム・プレイヤーの基本姿勢

5:沈黙こそゴール

【技術編】

6:コミュニケーション・ゲームのテクニック

7:質問力を身につける

8:キャラクターと愚者戦略

9:コミュニケーション・ゲームの反則行為

まとめ:コミュニケーションは徹頭徹尾、人のために

印象に残った内容

会場のテンションに合わせる

学生時代から、人前で話す機会は多い方だったと思います。

ただ得意というわけではなく、むしろ苦手な方だって自覚もあるくらいです。

そんな自分が「はっ」としたのは、本文中にあった会場のムードと自分のテンションの関係性です。

正式な会議においていきなり「はいはいはいはーい」と漫才をするかのように入ってきたら、それは間違いなく空気を読めていないでしょう。

ただ、本人からすれば「盛り上げたい」という気持ちから起こした行動だと思います。

自分も過去にそんなふうに会場のムードを強引に引っ張っていこうとした経験があります。

でもそれは間違いだったんだなと、この本を読んで思いました。

まずは会場のムードに自分のテンションを合わせ、会場と一体化する。

その後でゆっくりと会場の雰囲気を盛り上げていけばよい、というのは新たな発見でした。

もちろん話術巧みなエンターテイナーは会場を強引に引っ張っても成功すると思いますが、僕のような一般人には吉田氏の説明に納得いきましたし、実践したいと思えました。

沈黙と究極の関係

コミュニケーション術というよりは人間関係そのものについて示されていた箇所についても共感できる部分がありました。

「本当に親しい関係というものは沈黙が苦でないと思う関係」との見解が示されていました。

これは自分にも経験があることで、家族や彼女、親友などは例えばずっと一緒にいてずっと喋っているわけではありません。

半分かいやそれ以上沈黙が続くことだってあります。でもそれあが苦だとは感じないんですよね。

吉田氏はコミュニケーションが心地よさを生むといっていますが、コミュニケーションがもはや必要でないつまり沈黙を心地よいと思える関係、相手こそが真の気のおけない存在だと。

それを踏まえて数々の友人を思い浮かべてみると、本当に親しいと思える友人は限られてくるなあと。

特に恋人のような特別な存在に関しては、そういった目線も取り入れて将来のパートナーとしてふさわしいか考えてみるのも一つアリだなと思いました。

まとめ

自分がコミュ障であるとは思っていませんが、常々円滑なコミュニケーションが出来るとは思っていません。

だからこの本は実生活に役立つ本だなと感じられましたし、今日から実践していきたいと思えました。

特に自分はツアーガイドであるので、より高度なコミュニケーション力が求められると思うので、今読んでおいて正解でした。

吉田氏と同じように、より多くの人がコミュニケーションをもっともっと楽しんでもらえたら嬉しいですね。