熊?鹿?鳥獣害の真犯人とは?有害鳥獣発生の原因と対策も同時に解説

04/27/2017移住・田舎暮らし

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馬瀬に来てから毎日車の運転をするようになりました。

正確には周りに店も交通手段も無さすぎて生活が成り立たないので仕方なく車を使っています笑

まだまだ車の運転には慣れていませんが、特に夜に運転したくない理由があります。

暗くて道が見えづらいのはいいんです。じゃ何かって?夜になると奴らが出てくるんですよ…

鹿!猪!猿!他多数!

昨日は雨も降っていたし真っ暗だしめちゃくちゃスピード落として帰りました。ただのビビリです、はい。

何が言いたいかっていうと、すぐ近くに動物がたくさんいてそれが今人間の生活を脅かしているということです。

山間地特有の被害「獣害」とは?

馬瀬のような山間部地域では獣害が本当に多いです。

東京にいた時は身の回りにいる動物といえば犬や猫くらいでかわいいもんでした。

でも田舎ではそうはいかない。具体的に獣害にどんな被害があるのか、見ていきましょう。

直接的被害

直接的な被害というと要は獣たちに鉢合わせて襲われるとかそういった人的被害のことですね。

ちょうどおととい25日に下呂市の真上高山市で3名の方が熊に襲われて重軽傷を負いました。

ジョギングしていて襲われるって僕も気をつけないと。恐ろしや…

他にも冒頭で述べたような運転中に鹿にぶつかって車の修理代払わされるとかそんな被害が多いですね。

一つ聞いた話では熊にぶつかってボディ滅茶苦茶になって70万くらいかかったそうです…!

間接的被害

間接的被害は鉢合わせずとも気づいたら農作物を食い荒らされてたとか、せっかく整えた畑を掘り返されてたとか。

2013年の農水省の調査では獣害だけで約200億もの農業被害があったそうですよ。

実際馬瀬でも猪が土を掘り返した跡が山の中だけでなく人里にもありましたね。

まあもちろん悪気があってやってるわけではないのでしょうけど…原因はまた後で話しますね。

一体誰の仕業?獣害の犯人ベスト4

以下に述べる4種が全国的に獣害を引き起こしています。

四位 熊

僕は一番鉢合わせたくないのが熊ですね。

日本にいる熊のうち多いのがヒグマやツキノワグマで、性格は特に獰猛だそうです。

鈴鳴らして音を出せば熊も近づいていこないと言うけれど、それでも一人でいる時は心配ですな。

三位 猿

馬瀬に来て一番最初に見たのが猿かな。

家のすぐ隣の山に群れでいました笑

動物園ではかわいいイメージですが、リュックをぶん取って人を襲うなんてことはよくありますよね。

二位 猪

猪の肉この前食べました…!恨まれて襲われませんように笑

猪突猛進なんて言葉がありますが、本来は神経質で臆病者なんです。

他の動物と比べて特に鼻が効くようで美味しい食物の味を覚えて田畑に現れては農作物を食い荒らしていくそうです。

一位 鹿

1位が鹿って意外じゃないですか?鹿ってかわいいイメージあるし…全部バンビのせいだ(いやお前の画像センスのせいだ)!

車にぶつかるのも一番鹿が多いみたいですし、農作物もめっちゃ食べるらしいです。

運転中のご対面も時間の問題だろうなあ、く〜っo(`ω´ )o

獣害の原因まとめ2選

端的に言うと以下の2つに分けられます。

  • 散々植林をした挙句放置した
  • 餌付けをしてしまった

もちろん地球温暖化によって動物の絶対数は増えました。でも今回は上記2点について説明していきたいと思います。

散々植林をした挙句放置した

時代の流れと言いますか、手を入れるべきところに人間が手を入れなくなったのです。

どういうことかと言いますと…これは馬瀬の区長さんから直々に聞いた話に基づきます。

今や林業衰退なんて叫ばれていますが、昔は日本の一大産業でした。

馬瀬も昔、炭焼きで生計が立っていたほど林業が盛んだったそうです。

1960年代に国策で炭や木材を作るために針葉樹をがんがん植えていったそうです。

そんな中時代は進み貿易によって外国産の木材が手に入るようになりました。

輸入した方が安く、国産の木材は次第に売れなくなっていきました。

すると林業で生計を立てていた人は生活が立ち行かなくなってしまい、林業を捨て都市へ出て行ってしまいました。

これは地方の過疎化とも繋がるんですが、今はそれがどう獣害に関係するかということですね。

植林しただけでその木々を切らないと増えていく一方です。

そうするとその中で動物もどんどん増えていきます。動物にとっては恰好の住まいになりますからね。

また、植林前は人里と山の間に緩衝帯というものがあり動物は人里に入ってくることはありませんでした。

なぜならその緩衝帯は木もまばらで人間の姿、生活がよ〜く見えるわけです。

そうすると人間のことを恐れて人里には近づかなかったんですね。

つまり木をびっしり植えてしまったことで緩衝帯を無くし、さらに維持管理しないために動物が住みかとして利用し数を増やしてしまったんです。

ただそれだけでは獣害と言われるほど人里には来ません。ではなぜ来るのか?それはもう一つの理由にあります。

餌付けをしてしまった

馬瀬ではあまり山にゴミが捨てられているところは見かけませんが、これが原因の一つになります。

人間が食べないものでも動物は食べてしまうんです。

ゴミの食べカスに限らず売り物にならない農作物を畑に放っておいたりするのも餌付けにつながってしまいます。

もちろん人間が食べないもの、利用しないものならこちらも困りません。

それではどうして農作物まで手を出し、被害が出るようになってしまったのか?それは我々人間の思考回路と同じです。

同じ値段で手に入るのなら誰だってより価値の高い方を選ぶでしょう。

動物も一緒で同じ畑にあるならより美味しい(売り物になる)農作物を選ぶわけです。

味を占めるという言葉が適切でしょうか、それが次第にエスカレートしていき今に至るわけです。

このように森林の維持管理をしなくなったことで結果的に動物の住処を増やし、また植林による緩衝帯の破壊と餌付けが動物を人里に来させてしまった原因なのです。

ただこれって全部人間が自分たちで引き起こした問題なんですよね。そうです、自業自得なんです。

獣害対策まとめ4選

自業自得とは言え、生活の危険は取り除かねばなりません。

対策としては大きく分けて以下の4つになります。

緩衝帯の復活

個人的にはこれが一番大切なのかなと。

2番目に紹介している柵と併用するべきなのですが、人里近くに生えている木々を伐採します。

結局茂みがあるところに動物たちが住み着くので、人里と動物の住処をしっかり分けなくてはなりません。

そこである程度の木々を伐採し植林前のような棲み分けを作るのです。

人間と動物お互いが良い距離感で共存していけるはずです。

獣害柵を設置

緩衝帯だけでは農作物の味を覚えた猪達は人里に降りて来てしまいます。

そこで侵入を防ぐ柵が効果的ということです。

獣害防止柵については先日紹介しましたね。

特に柵も電気柵を使うと良いみたいです。

ちょっと可哀想ですが電気ショックで動物たちを怖がらせ近づけないクセをつけさせるのです。

家畜や動物の放し飼い

動物は人間や他の動物の気配や臭いなどに敏感なようです。

ですので牛や羊を山際で放牧するとか犬の散歩をするとか、そういったことでも獣害対策になるようです。

特に面白いのがモンキードッグやベアドッグの活用。猿や熊を追い払う犬を放し飼いにするのです。

これは馬瀬でも過去にやったことあるらしいです、どれだけの効果があったかは分かりませんが笑

ハンティング

最後は皆さんよくご存知の方法。

40年前と比べてハンターの数自体は半分以下に減っているそうです。

でも捕獲数は逆に増えているらしいです。ただ動物の絶対数が増えてますから何とも言えません。

最近では狩猟ガールなんて言葉も流行ってますよね〜。ちょっとコワいけど笑

実際僕の面倒を見て下さってる役場の方も狩猟免許を持っているし、隣の隣の家のお父さんもハンターです(この前猪肉くれた方)。

おわりに

夜道の運転で動物が出てきたら嫌だ〜ということからだいぶ話を大きくしました笑

でも獣害って都会に住んでいるとほぼ無関係ですよね。実際僕も23年間でそういう動物見たのって動物園の中くらいだし笑

人的被害や農業被害は我々の生活にとって取り除くべきものです。

ただ人間が好き勝手やった結果として獣害が増えていると思うと動物たちにもどこか申し訳なく思ってしまいます。

ですから上で触れた緩衝帯のような人間と動物棲み分けをしっかり出来たらいいなと僕は思います。

この記事を見て下さっている都会の方も、ぜひ関係ないと思わず少しでも関心を示してくれたら嬉しいです。

昔のように人間と動物が共存できる山に戻れるといいですね。

とりあえず僕はどれだけ馬瀬の生活に慣れようと夜の運転だけは気をつけます笑