イタリアの空き家活用法アルベルゴ・ディフーゾ!古民家が何に生まれ変わる?

04/20/2017事例紹介

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宿泊施設と聞いてどんなものを思い浮かべますか?旅館、ホテル、民宿、ゲストハウス…

現代では様々な形態の宿泊所がありますが、その中でもユニークな"アルベルゴ・ディフーゾ"というものを紹介しましょう。(ちなみに僕は風情のある和風旅館派です笑)

アルベルゴ・ディフーゾとは

アルベルゴ・ディフーゾはイタリアで生まれた新しい宿泊形態のことです。

イタリア語でそれぞれ

  • アルベルゴ(Albergo)=ホテル
  • ディフーゾ(Diffuso)=分散、拡散

という意味があり、直訳すると"分散したホテル"という意味になるんですね。

一般的なホテルが1ヶ所の施設でサービスを提供するのに対し、アルベルゴ・ディフーゾは集落内の複数の建物を利用します。

集落の中心部に受付を設け、そこから一定範囲内の空き家や空き部屋等を宿泊施設として活用するのです。

だからアルベルゴ・ディフーゾでは、観光客はあたかもその集落の住人であるかのように生活することが出来るわけです!

昔からある集落の商店での買い物や地元の食材を使ったレストランでの食事を地元住民とのふれあいと共に楽しめるんですよ〜。

アルベルゴ・ディフーゾの一例です→シクリ アルベルゴ ディフーゾ (イタリア シクリ) – Booking.com

これめっちゃよくないですか?笑

アルベルゴ・ディフーゾの経緯

1976年にイタリア北部で発生したフリウリ地震の復興が始まりです。

イタリア政府が震災復興策として倒壊した家の再建や改修などを実施したものの、親戚を頼り多くの住民がその地域を後にしていきました。

住民の減少により空き家は増加し、地域の活力も衰えていきました。

そんな時観光コンサルタントのジャンカルロ・ダッラーラ氏がそういった地域を訪れ、空き家をホテルの部屋として観光客を呼びこんで地域を活性化させようと考えたのです!

徐々にアルベルゴ・ディフーゾの数は増えていき、イタリア国内のみならずスイスやクロアチアなどヨーロッパ各地に広がっています。

アルベルゴ・ディフーゾの実態

イタリア南部カンパニア州に人口1700人ほどのカステルヴェーテレという村があります。

ナポリから車で1時間ほどの所にあり、オリーブ栽培で生計を立てている小さな村です。

豊かな農産物、素晴らしい景観があるものの近くにアマルフィといった有名リゾート地があるため、これまで観光客はほとんど来ておりませんでした。

そのカステルヴェーテレ村で元々空き家だった17以上の建物が現在宿泊施設として利用されています。

2015年には地元の農産物を使ったレストランも開設されました。

カステルヴェーテレ村-Trip Advisor

宿泊者数は年間数百人ですが、海外からも観光客が訪れるそうです。

宿泊施設関連、商店やレストラン、ガイドなど新たな雇用も生まれているんですって。

元々は無名の村でしたが、徐々に知名度も上がっているそうで地域全体への経済効果は十分ありそうですね〜。

馬瀬版 アルベルゴ・ディフーゾ

既存の建物の改築費用のみで大規模な投資金が必要ないアルベルゴ・ディフーゾ。

馬瀬でもぜひやりたい!ということで考えてみます。

イタリアと状況が違うのが以前にも触れました旅館業法の適用有無。

結局お金を取って人を泊める=宿泊業となるので、建築基準法や消防法も含めて必要になるはずです。

ただ空き家であれば宿泊者が使うためのトイレ、洗面器具があればよいのでそこは民家と違って増築する必要はなさそうです。

とはいえ改築費用が誰が出すの?というのが一番の課題。

今すぐ使えそうな空き家は馬瀬には無さそうなので何らかのリフォームは必要になります。

補助金やクラフドファンディングなど資金繰りの方法は調べる必要がありますね。

イタリアでは政府の補助の他、EUの基金なども使えるそうです。うらやましい…

まとめ

低コストかつ地域の味を出すにはもってこいのアルベルゴ・ディファーゾについて話しました。

馬瀬での導入は法律関連、資金繰りが課題ですね。もちろん地域住民の了解、協力も必要です。

時間はかかってもやる価値はあると思います。

農業体験やアクティビティと掛け合わせればオンリーワンのインバウンド商品になりますものね。

外国のこういった取り組みは非常に参考になりますね。また見つけたらブログで紹介していきます。