『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』で心に残った4つのコト
この記事は約 6 分で読めます。
台風到来直前の静かな昼下がり。夏らしいフレーバーが香る挽きたてコーヒーを淹れ、スピーカーにiPodをセットしジャズのインストゥルメンタル版を流す。これで準備万端。
そう、楽しみに待っていたあの本がついに届いたのです。
とまあサレオツなオープニングを30分かけて考えたのですが、ガラじゃないので通常モードに戻します。
実際は害虫の侵入に怯えながら家を締め切り、休日特に何もすることないから仕方なく読書をしたというだけの話です。
読んだ直後の頭が冴えているうちに、心に残ったことを書き連ねていこうかと思います。
なぜこの本を手にしたのか
ご存知の方は言うまでもありませんが、僕は現在外国人旅行者を相手にツアー商品を提供しているんですね。
ツアーといえばまさにサービス業。第一次産業や第二次産業を脅かす存在であるあのサービス業です。(←小学校の時の知識)
現在サービス業に身を置いているため、ホスピタリティに関する本を読もうと思った。ただそれだけのことです。
Amazonで「ホスピタリティ 本」で検索したら出てきました。もちろんリッツ・カールトンの名前くらいは知っていましたが、泊まったこともないし、いや第一そんな身分じゃございやせん。
もう少し細かく言うと、ゲストを120%満足させるために何ができるのか考える材料が欲しかったのです。
こう思った背景は話すと長くなるので後日別記事で紹介することにしましょう。早速心に残った、というか刻んでおきたいエッセンスを紹介します。
サービスを超える瞬間
1つめはタイトルの一部でもあるこちら。
活字嫌いな僕でもさっと読めてしまうほど、分かりやすい内容でした。何より僕の思想ややりたいことと通ずる内容だったので終始ワクワクしながら読めました。
それはこの「サービスを超える瞬間」という言葉に凝縮されていたかなと思います。
言葉そのまま、対価以上のサービスを提供し、それに対してお客さんが感動している瞬間です。
本の中では客が感動・感謝するまでのプロセスが具体例とともに紹介されているのですが、ここではこの程度にしておきます。
このサービスを超える瞬間をリッツ・カールトンは組織的に多く作り出し、一大ブランド築いてきたわけです。
もちろんその成功に至るまでの経緯やビジョンや教育制度なども本書で紹介されています。
自分のツアーを振り返ってみるとまだこの瞬間には出会えていない、というか提供できていないと思います。
たくさんコミュニケーションを取って相手のニーズを捉えようとしますが、果たしてゲストを感動させるまでに至っているのか。まだまだ訓練が必要ですね。
マニュアル=最低限のサービシングに必要なもの
2つめは、改めて実感したことではありますが、マニュアルというのは最低限のサービス提供のために必要となるだけのものであることです。
どんな企業や組織にも業務に関するオペレーション方法についてまとめたマニュアルは存在しますよね。
ただそれは、滞りなくこなせば誰がやっても同じような価値を生み出せるようにするために作られたものです。
つまり、マニュアルをいくら遵守してもサービスを超える瞬間にはたどり着けないということになります。
もちろんマニュアルを疎かにしてはいけませんが、お客さんを感動させるためには即興演奏に似た個々人のアドリブ力が必要となります。
リッツ・カールトンではこの個々人の力をしっかりと引き出せるように、ある程度の裁量権をもたせる仕組みがあるんだとか。
現状僕のツアーのガイドは自分しかいないのでマニュアルと言えるものはありませんが、ツアーを催行する上でのオペレーションチェックリストや運行規定などは作っています。
本書にもありましたが、ルールやシステムに当てはめてしまうのはよくないものの最低限のサービス提供のためにマニュアルは必要とのことです。
数年後、人を雇える状態になるまでには完成させておく必要はありそうですね。
客自身も自分のニーズに気付いていない
3つめは、どこかで(←おいおい)経営学を学んだ時に知った言葉。すでに知っていたといえばそうなのですが、こちらも改めて実感したという意味で。
客がしてほしいこと分からないでどうサービシングすんねん、と言いたいところですがこれ実際うなずけます。
ツアーやってても「あ、この人もしかして〇〇がしたいのかな?」とか思って、実際にそうしてみると喜んでくれることありますし。
でもこういう時こそ「サービスを超える瞬間」が訪れるんだと思うんです。
自分でも気付いていないこと、意識していないことを相手が親切にもしてくれたら誰だって驚きとともに感動を覚えるはずです。
自分の誕生日忘れる人ってにわかに信じられませんが、そういう人に誕生日サプライズやったときのような感じですよ。
とにかくホスト側がゲストの潜在ニーズをその人の言動や雰囲気から感じ取って、サービシングしてあげるのが重要なわけです。
上でも書きましたが、コミュニケーションを密にとってもわからないことは多く未だ自身の力不足は感じます。
ただ「客自身がニーズをわかっていない」と意識しているだけでも違うのかな、と思います。次回のツアーでも怯まず挑戦します。
客に謙るのではなく客と同等であれ
本当はもっとあるんですが、最も心に残ったエッセンスだけを紹介したいのでこれで最後です。
特に日本のサービス業に多い?と僕も思うし著者も述べているんですが、いつまでも「お客様は神様」ではいけないようです。
常にこういう状態だと、ゲストに対してこちらから提案しづらくなるんだそうです。これ3つめとも重なりますよね。
客のニーズを気づかせてあげることもホスト側のサービス・仕事のひとつなわけですから、提案ができなくては「サービスを超える瞬間」にはたどり着けないことになります。
もちろん礼儀は必要ですが、お客さんと同じ目線に立つことも重要とありました。
これは「紳士淑女にお仕えする我々も紳士淑女です」とリッツ・カールトンの基本理念を示すクレドにも大きく書かれているそうです。
その点、僕のツアーは割とゲストとは近しい、同じ目線に立っているのかなと思います。
ゲストのほとんどがフレンドリーであるということも理由に挙げられますが、何より僕自身が「ゲストと一緒に楽しむ」ということを大切にしているからでしょう。
年齢性別問わず、初対面だけどまるで古くからの友人であるかのような感覚でガイドするよう心がけています。
なので「イケる!」と思った時には、しょーもないジョークも連発します笑
ただ改めてお客さんと同じ目線に立つということは、続けていきたいと思いました。
おわりに
本当に読みやすい本でした。そして何よりリッツ・カールトンに宿泊したい気分にさせられました。
ちなみにリッツ・カールトン東京の1泊料金は食事なしで6万円とのことです。ムリ!!!
人生で一度は泊まってみたいかな。将来成功するためのプチ目標の一つにしておきます。
世界最高峰のホスピタリティを提供するリッツ・カールトンに関する今回の本は同じサービス業であるツアーをやる上で非常に参考になりました。
サービスに関する本はまとめ買いしたので、また読んだら即、備忘録的に紹介していきたいと思います。