外国人観光客が5年で40倍?城崎温泉がインバウンドで成功した5つの理由

11/16/2017事例紹介

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城崎温泉

知っていますか?城崎温泉。城崎温泉は近畿地方兵庫県の山あいにある昔から有名な温泉地です。

Daiも30歳になるまでにやりたい100のリストに入れたほど、行きたい場所であります。

さて近年東京オリンピックに向けてなのかなんなのか、とにかく訪日外国人観光客が増える一方であります。

インバウンドという言葉も日本人にも馴染みの言葉となってきています。

そのインバウンドの中でも温泉地として外国人観光客に今最も人気が出ているのがこの城崎温泉なのです!

どれくらい人気かというと、5年前の2012年の外国人観光客数と比較して40倍にも増えたそうです。すごいですね…

本記事では城崎温泉がどうしてインバウンドで成功しているのか、その理由を5つに絞って説明していきます。

ロンリープラネットへの掲載

ロンリー・プラネット「ジャパン」|紀伊國屋書店

まず外国人観光客増加のきっかけとなったのがこれ。

2008年に世界的旅行ガイドブックの『ロンリープラネット』に「Best Onsen Town」として載りました。

ロンリープラネットと言えば、割とマイナーな地域も勝手に掲載されてしまう特に海外に人気の旅行雑誌ですね。

ただ掲載されるだけで爆発的に観光客が増えるわけでもなかったそうです。

翌年の2009年はやや増加しただけで、2010年には2008年並みの約1800人に戻ってしまいました。

さらに2011年に東日本大震災が起きると、外国人観光客数は1200人を切るまでに落ち込んでしまったそうです。

ターゲットを欧米FIT一本に

そんな中2012年から城崎温泉の若手を中心にインバウンドへ積極的に取り組み始めるようになりました。

城崎温泉のある豊岡市がまず目につけたのは市内の宿泊施設から集められた宿泊客のデータ。

そのデータを裏付けに欧米の個人旅行客をターゲットにすることになりました。

これはデータ以外に城崎温泉をはじめ豊岡市の宿泊施設の特徴からも裏付けられています。

豊岡市には団体客を収容できるような大規模旅館が少なく、家族経営などの中小規模の旅館が多いことから、個人旅行のシェアが高い欧米豪の個人客に狙いを定めたわけです。

実際その戦略が、データにも表れており欧米豪の宿泊者数が43.5%と半数近い割合を占めているのです。

日本全体の訪日外国人観光客のうち欧米人の占める割合が20%ほどであることを踏まえると、城崎温泉がいかにヨーロッパに強いかがわかります。

海外大手予約サイトへの対応

2つめの欧米人FITへの特化と関わってくるのが、これ。

城崎温泉はオランダのブッキング・ドットコムやアメリカのエクスペディアなど欧米の旅行・ホテル予約サイトとの連携を深める取り組みをしてきました。

外国人旅行者を観光地に呼び寄せる上で問題となりやすいのが宿泊施設側の対応です。

現地法人やツアーコンダクターが予約を行なってくれる団体旅行と異なり、個人旅行客はホテルや旅館に直接予約を入れることが多く、英語など外国語で予約できる必要があるわけです。

家族経営の小さな旅館の多かった城崎温泉では、以前は日本語ですらオンライン予約に対応していませんでしたが、現在ではかなりの数の宿泊施設が欧米のホテル予約サイトに登録しています。

試しにBooking.comへの登録率を下呂市と豊岡市で比較してみたところ、下呂市は39件だったのに対し豊岡市では76件という結果になりました。

城崎温泉公式Webサイト『Visit Kinosaki』の開設

Visit Kinosaki

2015年には城崎温泉に関する英語の観光情報サイト『Visit Kinosaki』を立ち上げ、宿泊予約機能を装備しました。

エクスペディアなどへの対応だけでなく自社チャネルでも予約可能なシステムを立ち上げたのです。

現在では英語だけでなくフランス語にも対応しているようで、最近の欧米の予約サイトに見られるようなページデザインにするなど様々な工夫がされています。

宿泊施設情報だけでなく周辺の観光情報やアクティビティ情報も一度に見られるので本当に個人旅行客には嬉しいWebサイトだと思います。

個人的にデザインも好きで、確かに欧米人が使うようなサイトだなという印象があります。

DMO豊岡観光イノベーションの発足

豊岡観光イノベーション (一般社団法人)

外国人観光客をさらに呼び込むために2016年6月に発足したのが、豊岡版DMO「豊岡観光イノベーション」です。

DMOとは「Destination Management/Marketing Organization」の略語で、観光地経営組織などと訳されます。

欧米の観光地で始まり、戦略の策定、各種調査、マーケティング、商品開発、プロモーションなどを地域と協働して実施する組織体です。

高速バス大手のウィラーや地元のバス会社、全但バス、但馬銀行、但馬信用金庫などの企業が基金を拠出し、旅行大手のJTBと三井物産はそれぞれ社員を派遣して参画しています。

観光地としての関連性が強い隣接する京都府京丹後市とも連携しており、主にマーケティング事業や現地ツアーの開発・販売、上で述べた「Visit Kinosaki」の運営などを行なっています。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は日本のインバウンド市場で最も成功している温泉地城崎温泉の成功要因について扱ってきました。

  • ロンリープラネットへの掲載
  • ターゲットを欧米FIT一本に
  • 海外大手予約サイトへの対応
  • 城崎温泉公式Webサイト『Visit Kinosaki』の開設
  • DMO豊岡観光イノベーションの発足

地元の旅館との連携から始まり、自社予約サイトやDMOの開設などまさに磐石の体制です。

温泉地という枠で考えると、ここまでインバウンドへの取り組み意欲の高い場所は日本中探しても見当たらないと思います。

自分で記事にまとめてみてますます行きたくなってしまいました笑