現代人へ送る『いま、拠って立つべき“日本の精神”武士道』レビュー
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今回は日本人ならおそらく誰もが知っている言葉、「武士道」について書かれた書籍をご紹介します!
その名も『武士道』。紹介するものは正しくは『いま、拠って立つべき“日本の精神”武士道』ですが、本の内容は原作と全く同じで、解説やまえがきなどが少々付け加えられている程度の違いです。
学生の頃から「武士道」については何となく興味を持っていましたが、今まで一度も書籍として読んだことがありませんでした。
読書が習慣になりつつある今、たまたまこちらの書籍を見つけたので、思い切って読んでみることに。
およそ100年も前の明治期に世界中で読まれた『武士道』。その理由が分かったような気がします。
以下に当てはまる人はぜひ一度お読み下さい。
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現代の世の中を息苦しく感じるあなた
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資本主義や物質主義に疑問を感じるあなた
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日本古来の思想精神を学びたいあなた
それでは早速本題に入っていきたいと思います!
書籍概要
まず、100年も前の明治時代に新渡戸稲造が『武士道』を執筆した理由についてお話しましょう。
『武士道』は初め、アメリカで出版されました。それは新渡戸が病気治療のためカリフォルニアに滞在していたからです。
今でも、海外に行くと誰もがこう口にします。「日本を見つめ直す良い機会になった」。新渡戸も同じく、カリフォルニアに滞在しながらその頃の日本について思いを巡らせていたそうです。
当時の日本は西欧諸国からすれば、未だにアジアの小国という認識しかされていませんでしたが、日清戦争の勝利を機に、好奇の目を向けられるようになりました。
ただ中には「野蛮で戦争好きな民族」という見方を持っていた人もおり、それに対し新渡戸は「正しい日本を、世界に誇るべき『武士道』を伝えなければいけない」という思いに駆られ、『武士道』を書き始めたのです。
その証拠に英語の原題には"The Soul of Japan"とあります。新渡戸は日本の魂を世界中の人々に伝えたかったのですね。
『武士道』は封建制開始から明治維新頃まで日本人の心に脈々と流れ続けていた武士道について唯一明文化した書籍です。
ヨーロッパの哲学思想やキリスト教思想などとの比較から、武士道の源流から武士道における重要な精神について分かりやすく書かれてます。
219ページとページ数だけで考えると少ない印象がありますが、実際のボリュームはすごいです。僕は読み終えるまでに4時間かかりました。
原作者プロフィール
新渡戸 稲造(にとべ いなぞう、1862年9月1日(文久2年8月8日) – 1933年(昭和8年)10月15日)は、日本の教育者・思想家。農業経済学・農学の研究も行っていた。
国際連盟事務次長も務め、著書 Bushido: The Soul of Japan(『武士道』)は、流麗な英文で書かれ、長年読み続けられている。日本銀行券のD五千円券の肖像としても知られる。東京女子大学初代学長。東京女子経済専門学校(東京文化短期大学・現:新渡戸文化短期大学)初代校長。
新渡戸稲造と言えば、旧5,000円札の表紙の人としても知られていますが、歴史や文学に詳しい方は彼がいかに素晴らしい教育者であったかご存知のことでしょう。
インターネットやテレビがない時代に、他国のニュースやまして民族について知る機会などほとんど無かったことでしょう。
そんな時代に日本の正しい精神を諸外国に伝えようと、一冊にまとめた新渡戸は素晴らしい人だと思います。そりゃ紙幣にもプリントされますよね。
とはいえ書籍の内容は内容で、所々難しい箇所もありました。その中でも印象に残ったポイントをいくつか紹介していきたいと思います。目次は参考程度にどうぞ。
目次
第1章:武士道とはなにか
第2章:武士道の源はどこにあるか
第3章:義 – 武士道の礎石
第4章:勇 – 勇気と忍耐
第5章:仁 – 慈悲の心
第6章:礼 – 仁・義を型として表す
第7章:誠 – 武士道に二言がない理由
第8章:名誉 – 命以上に大切な価値
第9章:忠義 – 武士は何のために生きるか
第10章:武士はどのように教育されたのか
第11章:克己 – 自分に克つ
第12章:切腹と敵討ち – 命をかけた義の実践
第13章:刀 – 武士の魂
第14章:武家の女性に求められた理想
第15章:武士道はいかにして「大和魂」となったか
第16章:武士道はなお生き続けるか
第17章:武士道が日本人に遺したもの
印象に残った内容
武士や貴族と商業
武士や貴族と商業を遠ざける理由は、権力を集中させないためとありました。
武士は江戸時代の身分制度に置いて第一位に属し、また土地から十分に収入を得ていました。
また貴族も武士と同じように強大な権力を持ち、政治の世界を中心にその権力を行使できていました。これは日本でもイギリスや海外でも同じですね。
ここで、商業を武士や貴族から遠ざけておかないと、富が権力者に集中してしまう可能性が高い。これも容易にうなずけることですね。現代の例で言えば汚職問題などです。
そして本書ではその失敗例として、ローマ帝国滅亡の原因を挙げています。元老家系が富と権力を独占したことより、統治しきれなくなったのです。
士農工商にはそんな意味合いもあったのかと、学生時代に学んだ歴史を新たな視点で考えるキッカケとなりました。
金銭を惜しむな、富は知恵を妨げる
武士の子はこの格言の下育てられたそうです。「文臣銭を愛し、武臣命を惜しむ」という格言もあるくらいです。
ここで、現代について考えてみると、世界は資本主義思想で埋め尽くされています。
資本主義の下だと、損得や打算といった考えから意思決定がなされることがほとんとで、ある種生きづらい世の中とも言えます。
しかし武士道には決してそれがないのです。むしろ銭を求めることは禁じられていたほどだったようです。なんと羨ましいことか。
世界中が物質主義、資本主義によって支配されている中、銭を求めないのは至極難しいことですが、知識の蓄積や知恵の伸長は武士と同じく積極的に行いたいと思います。
武士道精神は失われた
ネタバレ感半端ないですが、1000年以上日本が育んできた武士道精神は開国以降徐々に薄れ、現代消えたと言えるでしょう。
未だに会話の中で「彼はサムライだ」「恥を知れ」といった言葉は出てきます。これは紛れもなく「武士道」の遺産であると思われます。
ただ現代人にその「武士道」の精神が根付いているかと言うと、全くそうではありません。
上でも述べた、資本主義や物質主義により、企業も個人も私利私欲を貪るようになってしまいました。かく言う自分もその一人であると痛感しています。
ただ『武士道』全体を通して感じたのは、武士道精神の中の公徳心や人情を取り戻し、義に生きることが出来るなら世界はもっと生きやすくなると思います。
少しずつでも、「武士道」の心を持ちながら今後生活していきたいですね。
まとめ
読み終えてまず、日本人として武士道は知っておかなければならない精神だと感じました。
一度ツアーのゲストで過去に『武士道』を読まれた方が参加して、義理の言葉の意味について尋ねられました。もちろんその時答えることは出来ましたが、『武士道』を読んでいないことは引け目に感じられ、この機会に読めて良かったと思います。
武士道の精神とはある種相反している資本主義、物質主義的行動が現代では蔓延してしまっていることは否めないし、現に生きづらい世の中だという実感はあります。
武士道復興がもはや現実的でないことは明らかかもしれませんが、日本人として培ってきた精神を学び続け、武士道にもあるような、良心に基づいた意思決定、行動選択をしていきたいと思います。
サムライは我々の想像を遥かに超えて、偉大だったのだ!
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