奴隷同然の扱い?!地域おこし協力隊の闇報道の裏側と失敗・トラブル防止策
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春が来ても飛騨の朝晩の寒さには未だに慣れませんね。日中はあんなに気温が上がったのに、夜になると冬に戻ってしまった気がします。
さてそんな肌寒さを越えるような震える記事を見つけました。正確には怒りに震えるといったところでしょうか。とにかく大問題ですよこれは。
地域おこし協力隊の応募を検討中もしくは興味がある人には特に参考になると思います。
また先に断っておきますが、「報道を全て鵜呑みにしないで頂きたい」ということです。
「地域おこし協力隊」は現代の奴隷船?
まずは以下の記事を読んでみてください。長いので一部抜粋しています。
地域おこし協力隊は、2009年に総務省によって制度化されたもの。過疎化や高齢化の激しい地域に人材を派遣する、いわゆる有償ボランティアである。
傍からみれば、給料をもらえて、田舎暮らしをしつつ地域貢献もできる、やりがいのある職業。
だが問題は、地元に根付かなかった6割以外の部分である。残り4割が体験するのは、過疎地の地獄。中には任期途中で逃げ出す人もいるのだという。
任期半年で逃亡を余儀なくされたNさんが派遣されたのは、東北地方の某過疎地域。そこは鉄道もなく、日に数本のバスが来るだけという完全な過疎地域。
「主な仕事は道の駅での販売です。朝は7時前から閉店までの長時間労働。労働時間が長いだけならよかったのですが、人間関係は最悪です。自分以外の職員は地元の人ばかり。なんとか溶け込もうとしたんですが、完全に都会から来たヨソ者扱いでされるばかりで……」
多少、ブラックな職場程度なら「慣れているのでかまわない」と思っていたNさんだったが、都会と田舎では大きな違いがあった。町内には、スーパーとコンビニ以外に商店はない。息抜きをする場所が、まったくなかったのである。
「コンビニで立ち読みするくらいしか、息抜きがありません。なにせ、与えられたアパートにはネットもなければWi-Fiも飛んでないので、YouTubeすら見られないんですよ」
もちろん、そんな過疎地でも日本国内。車で1時間も飛ばせば市街地はある。けれども、そこに行くこともできなかった。
「理由はわからないのですが、町外に出るためには書類を書いて届け出をしなくてはならなかったんです……」
結局、半年で耐えきれなくなり逃亡したNさん。現在も心を病んで通院を続けているという。
引用:日刊サイゾー『一億総ブラック化の果てに……「地域おこし協力隊」は、現代の奴隷船か?』
定住しない4割が地獄を体験するわけではない
この記事を読んで、最初は正直笑ってしまいました。
Nさんの体験は事実なのかもしれませんが、僕が一番疑問に思ったのは定住しない4割の人が地獄を体験するという記述。
「1つの事象からさも全体を把握した様に捉える現代メディアに絶望した!」と思わず言いたくなってしまいました。
定住しない4割の人って色んな理由があると思うんですよね。ざっと挙げてみます。
- 他の地域で町おこしをしたくなった
- 自分の故郷に還元したくなった
- 生活できる術を見出せなかった
- 学生時代にできなかった留学・世界一周をしたくなった
憶測がほとんどですが、プラスの理由マイナスの理由どちらもあると思います。
で、理由がなんであれこの4割全ての人が着任地域で地獄を見たわけではないでしょう。
そもそも3年続けた結果定住した人が6割、定住しなかった人が4割です。
地獄を体験しながら3年続けて定住しないという選択を取る物好きがいるかと問われれば、いないと即答できますね。
結論「定住しない4割の人が地獄を体験しています」というのは完全な間違いと考えます。
これは問題!Nさんの地獄体験
「報道的にはちょっとな」とは思ったものの東北地方の某過疎地域に着任したNさんの話はかなり過酷でした。
着色されている部分はあるかもしれませんが、事実だとしたら大問題です。
僕が絶望した点を具体的にまとめます。
- 労働中常にヨソ者扱いされる
- ネットや店がなくリフレッシュができない
- 町外に出るために申請を出さなければいけない
どれも辛いですが特に3番目は大絶望ですねよね、はい。
出張の場合ならわかりますけど、私生活でもこんな規制があったとしたらまさに地獄です。
現在も入院中ということで本当に苦しい思いをしたNさんの回復を祈るばかりです。
だがしかし、ちょっと被害者意識が強すぎないかな?と感じる自分もいたりします。
隊員側が自治体を選考するつもりで
こんな協力隊地獄が日本中で横行しているとは思いませんが、事実あるようです。
しかし、それは隊員側で未然に防ぐことは十分に可能です。てか、そうしないと自分が潰されてしまいます。
記事を読んでいて、「着任する前に確認すべきだよな」と思ったことをまとめてみます。
- 労働時間などの勤務形態
- 周辺施設
- ネット環境
- 居住環境
地域貢献だとか町おこしだとか、やりがいやミッションなどの前に自分の生活をいかに確立できるかが重要だと感じます。
生活ができるか否かというのは本当に大事で、三重県南伊勢町では訴訟にまで発展してしまうトラブルにもなりました。
誰と働くことになるか、町外へ出る場合に申請が必要といった細かい話は聞けないかもしれませんが、少なくとも上に挙げた4点は確認できたはずです。
自分の生活における優先順位付けをして、ゆずれないものは決めておくべきです。
僕の場合ネット環境や実家(東京)までの距離は優先順位として高く、気候や娯楽施設は割とどうでもよかったです。
要は隊員側が自治体を選考するくらいのつもりでいくことが重要だと思います。
担当者がお茶を濁す様な発言をすれば、その自治体は危険という判断もできますからね。
ちなみに応募前にすべきことはこちらの記事でまとめています。
おわりに
今日は地域おこし協力隊の闇に関する記事を取り上げました。
僕も全事例を知っているわけではないので、一概にこういった報道は間違いと言うことはできません。
とはいえ、全体を捉えずしてある部分だけがフォーカスされる報道には惑わされたくないし、惑わされてほしくないです。
地域おこし協力隊は特に闇の部分が多く報道されるように思います。
実際問題点も多くあり闇が深いのは事実ですが、前向きに頑張っている隊員や協力隊としてのやりがいを感じながら活動している隊員がいるのも事実です。
総じて隊員や自治体の資質によりますが、偏った報道にだけは左右されないでほしいなと願います。
協力隊希望者や実際どうなの?と色々聞きたい方はぜひ聞いてください。
喜んでお答えさせて頂きます!