外国人観光客は本当にマナーが悪い?ルールの強制ではなく観光税など行政対応を

09/04/2017課題

この記事は約 4 分で読めます。

インバウンド関連で興味深い記事を見つけたので紹介します。

外国人観光客のゴミ捨てマナーについて

東洋経済オンラインからの記事です→「マナーの悪い外国人観光客」を冷静に考える|デービット・アトキンソン

この記事全部読むと大変なのでちょっと要約しますね。

現在バルセロナでは、観光客が増えすぎたことによって政府への批判が強まっている。ただこの批判は宿や飲食店といった観光業に従事しない人からのものが多数。

日本でも少子高齢化などの問題から、外国人観光客を誘致することは今や国策としても最重要事項となっているが、外国人観光客のマナーの悪さが問題となっている。しかし本当に外国人観光客はマナーが悪いのかということを冷静に考える必要がある。

確かにゴミの問題など外国人のマナーについては広くニュースで取り上げられている。ただその多くは「文化や民度の違いだから仕方がない」というように片付けられてしまっている。実際には「行政の不十分な対応」や「知識不足」、「住民目線と外部目線の違い」などから論じられる必要がある。

(中略)

ゴミ捨ての問題について取り上げると、日本のゴミ捨てのルールはあくまで日本人が生活するということを主眼に置き設定されている。しかし、そのルールを知っている外国人はほとんどいないわけで観光のスケジュールの関係で結局定められた日、場所に出せず「やっぱり外国人はダメだな」という見方をされ、メディアはその一部分しか報道をしない。

国策で外国人を誘致しているにもかかわらず、行政的側面から外国人観光客が利用しやすいゴミ捨て体制を整備していないのはいかがなものか。とはいえ新たなルールづくりや行政的対応にはお金も必要である。だから観光業者がサービスに見合うだけの価格を観光客へ求めていくのと同時に、行政も負担を軽減するための税金を外国人観光客に課すべきなのだ。

いかがでしたか?記事全文を読むとより理解が深まりやすいです。

中国人観光客が特にマナーの悪い観光客として取りざたされてしまう理由や外国人から見た日本人のマナーについてなど他にも興味深い内容が書かれています。

メディアが生んだ外国人観光客に対する偏見

確かにこのゴミ捨てに関していうと、外国人にとって仕方のない部分もあると思います。

知らないものは知らない、知らないルールは遵守出来ないのは当然です。

「じゃルールを調べなさいよ」と言われたらそれまでですが、果たして外国人でもわかりやすいように街中やWeb上で公開されているでしょうか?

外国人のゴミ捨てマナーが悪く、地域住民が激怒みたいなニュースも最近多いですがその裏にはルールを守れなかった理由もあると思うのです。

メディアが偏重した伝え方をして「外国人観光客=マナーが悪い」というステレオタイプが多くの国民に対して植えつけられてしまったように思います。

観光税アリなんじゃないか?

観光税に関しての言及は記事の最後の最後に出てくるのですが、非常に説得力がありました。

価値観や文化が異なるため、既存の日本人向けのルールを外国人にそのまま押し付けてしまうのはナンセンスです。

とはいえそのルールづくりや体制の整備には行政の相当な経済的負担がかかります。

そしてこれを住民が払うとなると、恩恵を感じられる機会が少ないため非難ごうごうです。

だから諸外国で行われているように、行政が誘致した外国人観光客に伴うマイナス部分への対処のため、ホテルの宿泊税などを課すのです。

その他出入国税などがありますが、とにかくその行政的負担を外国人にペイしてもらうのです。

単純でありながら理にかなっていますよね?

外国人用ゴミ箱など設置をしても、「外国人のため」ではなく日本をより快適で過ごしやすい国にするための整備と捉えれば住民も観光客もハッピーなわけです。

外国人観光客の増加に対し体制構築は急務

現状毎日のように外国人観光客に関する負のニュースが流れています。

国籍の分布や目的地に変化はあるでしょうが、日本全体として見たときにその数は増える一方なのは間違いないでしょう。

特にオリンピックを控えた東京はもっとすごいことになるはずです。

その時に現在の体制のままだったら、住民の文句レベルでは無くなるかもしれません。

観光税を徴収するにしろ何にせよ外国人観光客に対する行政的対応は急務です。

日本国民として外国人が「日本に来てよかった、ぜひまた訪れたい」と思ってもらえれば誰もが嬉しいはずです。

今後もこういったインバウンド関連の記事を取り上げていこうと思います。